【書評】『精読行政法判例』弘文堂

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精読シリーズ?になるか、は不明ですが、『精読行政法判例』です。

 本書はいわゆる判例集の一種ではありますが、百選と違い、かなり厳選された判例が原文をまま掲載されています。

※百選は行政法ではあまり推奨できませんね…量が多すぎるので

 行政法で重要な個別法についても関連する条文が当時の法令のまま掲載されており、個別法の条文を読み、判例がどういっているか?を分析しています。判例自体は厳選されているように見えますが、関連判例で結構な量の判例が掲載されており、掲載判例数自体はかなりの数になると思います。
 また、憲法と同様ですが、テーマごとの外観が章の冒頭にまとまっており、わかりやすいです。

 類書として、「基本行政判例演習」日本評論社・中原茂樹著、があります。こちらの方が分量的には読みやすいです。
 本書は、それよりも長文(ほぼ原文のまま)の判決文が掲載されています。そのうえ、重要な箇所のマークやアンダーライン、判決文に対するコメントが横に掲載されている(このあたりは「基本行政判例演習」とも同じではある)うえに、解説も豊富。

 とはいえ、分量も多いので、ロースクールの授業等と並行して読み進める本という印象。

 予備試験受験の方で判例集に困っているのであれば、「行政判例ノート」の方がコンパクトであるのでこちらを進めたい。とはいえ、コンパクトにまとまっている部分がわかりにくくなっている部分も当然あるので、ある程度原文を読んだ方がよい判例も当然ある。そうしたニーズを感じるならば本書を読むことを進めたい。

 アガルートのテキストがあれば試験的には必要な範囲の学習はできるともうのでアガルートユーザーは不要かな?と思ったりもします。

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