今日は有料記事です。会社法の指導で思ったことを書いていこうと思います。予備試験の論文過去問の採点実感的な感じです。
これまでの指導の結果なので有料記事にしています。扱う問題はH27年予備試験の過去問です。これは典型的な問題なのでよく指導で扱います。ちなみに私の個別指導の場合,行政法だと25年と29年とか,初回にやってもらう問題はだいたい決まっています。まずは実力試しですね。
ちなみにこの年平成27年は、私の合格年でもあります。A評価でした。
さて,会社法のこの問題を解いてもらって共通して出てきた問題点について以下話します。
まず,429条の基本の型というか最近の流行りの言葉でいうと思考プロセスができているかという点になります。この点,特に任務懈怠のあてはめが設問1の小問(1)について問題になりますが,なかなかかけないですね。この辺りは論点というよりも論述の仕方という感じがします。過失と同じように義務の認定と義務違反の認定を書ければいいのですが,それが会社法だとできない人が多いというか,何か違うというイメージをお持ちの方がいる印象です。ここでの任務懈怠は過失と同視しても問題ないというのが通説的な理解ですから,過失と同様にあてはめればいいのです。過失などのあてはめについてはまた別途記事を書きたいですね。
以下有料
さらにAとCでは立場が違います。そのため具体的にどう義務が違ってくるのかを丁寧に説明できないといけません。しかし,これがなかなかうまくいっている答案が少ないです。食品本部長と代表取締役では職務分担が違うはずですのでそれを意識した論述ができるといいと思います。二人の取締役が出てきているので比較の視点が重要です。
また,小論点ですが,「法令」に会社法以外が含まれるかも端的に指摘できるといいでしょう。ここは書けなくても点差に影響がない気がします。一方で書きすぎるとほかの論点を書くための紙面が減りますので注意が必要です。
小問2ではBの請求です。Bは株主という立場で,生じている損害も間接損害ですから,通説的な立場では損害賠償請求は否定されます。しかし,まずこの論点に気づかず,設問1と同じように平板に記述する答案も多いです。これでは設問を分けた意味がないわけです。ですので違いに気を配ってほしいですね。
直接損害か間接損害かの認定も丁寧にしましょう。さらに応用的な話だと,429条を株主に適用できない間接損害の場面は,あくまで代表訴訟を提起できるケースだと思います。本問では倒産していますのでこれが妥当するのか?も問題になると思います。この点は応用的な部分だと思います。
要するにこの設問1では,AとCの比較,EとBの比較という二つの比較の視点が必要なのです。そこが難しいですが,一人ひとりでは難しくはないですので,事務処理的な部分もあります。
設問2は、22条の類推適用ですね。まず名称と商号が違うこと,条文が直接適用できないとに気づいてる答案は多いです。ですがその先の,これはそもそも類推適用の書き方の基本ができていない人が多いです。
条文の適用ができない→趣旨が妥当する→こういう場合に類推して効果を発生させる,という流れで書くのです。
しかし,類推の基礎の論述が不十分だったり,類推できると書くだけで,どのような場合に類推できるのかが書かれていなかったり不十分なものが散見されます。これでは法律の答案として成立していませんので,このあたりの書き方は注意が必要ですね。
もちろん、この論点は判例のある所です。そのため、判例を知っていればそれで解答できてしまうのでしょう。しかし,それでも本問の問題の所在を理解していることを端的に示せない場合もあります。ですので丁寧に自分の思考過程を示すことが重要です。
なお、事業譲渡については、規範立ててあてはめするような問題ではないと思います。主論点は22条の類推ですからその前提に過ぎないかなと思います。
設問1も設問2もともに、歯ごたえがある良問だと思います。
あと,この記事書いてて思ったのですが,予備試験の採点実感的な記事を今後も書いていこうと思います。有料にするつもりですが。
ともしび

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