今日も相談の中から大切なポイントを一つ。
これは初学者だけでなく、中級者にも共通する話です。司法試験に限らず、あらゆる試験において本質的に重要なこと──それは**「苦手を潰すこと」**です。
苦手科目や苦手論点を放置すると、その分野が出題された瞬間に点数を落とすことになります。例えば、刑訴法の訴因変更の可否や要否、刑法の社会的法益論──こうした論点が出たときに、「やってません」「苦手です」では済まされません。
その瞬間にF評価がついてしまうこともあります。。
つまり、「何が出題されても、一定の水準では書ける」という状態を作っておくことが極めて重要なのです。
「わかってるけどやってない」は通用しない
この「苦手潰し」分かっていてもなかなかできないという人が多いです。
特に初学者の場合、下四法(民訴・商法・刑訴・行政法)で手が回っていないことが多く、中級者でも、なんとなく敬遠して放置している論点があったりします。上三法でも、憲法なら職業選択の自由以後の社会権や統治機構、民法なら債権総論の後半の複数債務や債権各論(不法行為など特に)、刑法なら共犯や社会的法益(放火や偽造の罪など)も該当します。
でも、進学校の高校が高校3年間の課程を1年半で終え、残りを受験のための過去問演習にあてるのと同じで、知識のインプットは早期に終わらせて、残りは苦手潰しと演習に専念すべきです。
「全部苦手」は勉強不足のサイン
「全部苦手なんです……」という人もいますが、それはまだ学習が足りていないだけです。
やるべきことは明確で、まずは全体像を回す→その上で苦手な分野を炙り出して潰す。この繰り返しが実力を底上げします。
中級者の場合、「わかっているけど、後回しにしている」論点こそ、試験本番で命取りになりがちです。苦手と向き合って潰していく勉強こそが、最も点数に直結します。
最後に:方法論は自由、でも愚直にやるしかない
苦手を潰す方法は人それぞれで構いません。でも、結局やるしかない。
愚直に、逃げずに、繰り返すしかない。
「試験本番で“出たら終わり”の論点を、どれだけゼロにできるか」
これが、合否を分ける本質です。
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