第1 はじめに
私が受験時代に使用していた本や読んだ本,現在指導に際して確認するために使用している本をまとめていこうと思います。利用方法なども一言二言で書いていきますので参考にしてください。また,同じ名称の本も多いので,通称なども使用していきます。
なお,すべてを私が購入し通読していたわけではなく,図書館で参照していたものも結構記載しております。
特にこれはというものは別途書評にします。
第2 刑事実務基礎の書籍の外観
刑事実務基礎は民事に比較して書籍が非常に少ない印象です。事実認定の部分は本はとにかくあるのですが、試験水準でしっかり説明されいる本はほぼない印象。手続き的な部分も良書といえるものは少ないので刑事訴訟法の書籍等で学習するということがいいと思う。
第3 書籍紹介
1 基本書・教科書
⑴ 事実認定
①『刑事実認定入門』判例タイムズ社 石井一正著
事実認定の勉強を始めた時にまずはこれ!っという感じで紹介された本。値段の割にページ数がすくないので微妙ではあるが、コンパクトにまとまっている。実際の案件での処理の話は少ないので他で補う必要はあるが、市販の本でよくまとまっているものといえばこれ!という感じ。
②『実践的刑事実認定と状況証拠(第4版)』立花書房 植村立郎著
①で物足りなかったので書籍の名前と著者の名前で購入した本。内容的には①で十分ということがこれを読んでわかった。詳細に書いてあるので読んで損はないと思うが、現状の出題の漢字からすればここまで事実認定を深堀する必要はないと思う。むしろ研修所の本を読んだ方がいいが…
※事実認定は正直『検察終局処分起案の手引』と『刑事事実認定ガイド』というタイトルの修習で使用する教材を使えればそれでOK。もっとも、この教材は、司法研修所の検察と刑事裁判の科目で使用するものであるため、非売品である。そのため、市販されていないので入手困難である(とはいえ、検索すると実は情報公開された内容がでてくる)。
⑵ 刑事手続き
①『プラクティス刑事裁判』法曹会 司法研修所
公判前整理手続きを説明する本。研修所でも使用している。淡白な記述で読みにくいが、まとまって入るのでよければ読んでもいいと思う。
②『プロシーディングス刑事裁判(平成30年版)』法曹会 司法研修所
昔の第一審手続きの解説と同じような内容。刑事の第一審の手続きを説明する本。プラクティス刑事裁判と同様に淡白で読みにくい。
※刑事手続きは実際に誰がどの場面でどのような行為をするか?を理解しておけばOK
※刑事訴訟法の教科書でも対応可能
2 体系書
とくになし。
3 演習書
とくになし。過去問が試験対策的には効率的でそれしかない。
4 判例集
※使用することはほとんどないが一応紹介。
・『刑事事実認定重要判決50選(第3版)上』『同刑事事実認定重要判決50選(第3版)下』立花書房 植村立郎著
一応、事実認定で迷ったらこれだが、、試験的にはかなりオーバースペック。正直ここまでは買って読む必要はない。図書館にあれば調べものの際に参照すればいい程度。
※判例集で出るような複雑な事案は現時点では出題がない。
5 そのほか
①『司法試験予備試験 法律実務基礎科目ハンドブック2 刑事実務基礎〔第5版〕』辰巳法律研究所
当面,刑事実務はこの1冊でよいと思う本。他の本はなかなか…一長一短が激しいというか。無難にまとまっているのはこの本。民事と合わせて双方持っているのもありかなと思う。
②『刑事実務基礎の定石 』弘文堂 山本悠揮(著・伊藤塾 (監修
これも使っている人が多いですが,やや古いですし,具体的な事例は少ないし…いまどきよいのかなぁ??という印象です。これなら辰巳のハンドブックでよいでしょう。好き好みの問題と思いますし、こちらをおススメする人もいるので。
※以下は刑事弁護関係の書籍です。刑事は弁護側の視点・検察側の視点、裁判所の視点を理解する必要があるので、中立的な本よりも実務的実践的な本書らがよいと思う。
①『刑事弁護の基礎知識(第2版)』有斐閣 岡・神山著
刑事弁護の基礎的な話がコンパクトにまとまっている本。教科書的な期日が多い
②『事例で学ぶ刑事弁護入門(補訂版)』民事法研究会 宮村啓太著
個人的にはこっちの方がおすすめ。裁判でない部分も事例をベースにどのように弁護士として思考し対応するかがよくまとまっており好き。修習の時にこの本を読んで実務基礎に使えるじゃん!って思って受験時代に読みたいなぁ~と感じた思い出。このシリーズは結構実務に入ったときにも読んでいるので使う。
第4 さいごに
以上です!刑事はあまりいい本がないので、予備校のテキストで対応するほうがよいと思います。検察の本や刑事裁判の本が少ないので3者の差異をうまく説明できる教材がでてくれないかなぁ…という感じ。
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