合格体験記(2022年司法試験)再現答案にコメントした( @moyle910 )さん

私の関与した方に合格体験記を書いてもらいました
この方は昨年の発表後に再現を見せてくださいました
特に有料指導をしたわけではないですが、ぜひ見てもらいたいなと思い共有します。

彼は自分でしっかり複数の方からアドバイスをもらい修復することができておりリベンジの方は参考になります。
特に予備合格や上位ローなのに…という方が参考になるはずです

 @moyle910 さんからの文章です

それでは、以下引用です!

【令和3年の敗因と令和4年の勝因分析】
私は、法科大学院最終学年のときに司法試験予備試験に最終合格しました。
この成功体験が、今になって思えば、令和3年の司法試験の敗因を作ってしまったきっかけといえます。「私は論文式試験に強いんだ」と思い込んでしまったのです。

司法試験予備試験の論文式試験では論点抽出や法律論で差がつき、司法試験の論文式試験ではあてはめで差がつく、というのが現在の私の理解ですし、合格者にはおおむね賛同してもらえると思います。しかし、令和3年の司法試験を受験するまで、このことを体感することができず、「法律論で勝負すれば勝てる」と考えてしまったのです。

また、論文式試験では、受験生の答案を見てから、配点や採点基準をいじっているのではないかとも考えています。
 このままでは意味が分からないので、こんな問題を考えてみます。設問1、設問2と2つの設問があって、配点が50:50だったとします。設問1は司法試験で過去出題されたことのない、受験生にとっては初めて見たり考えたりする問題、設問2は司法試験で何度も出題されている分野・論点の問題だとします。
 このような問題が出された場合、設問1は受験生みんなにとって難しいため、全体的に出来が悪く、受験生間で大きく差がつきません。設問2は、過去問で出題されていて、しっかりと司法試験対策をしてきた受験生にとっては点を取りやすく、そうでない受験生は失点しやすくなり、全体的に出来がバラついて、受験生間で差をつけやすいです。
 さらに、論文式試験の点数は偏差値的に計算されるので、受験生間に差をつけられる問題が、合否判定にとって良い問題と考えられます。法務省が公開している論文式試験の採点方法によれば、上位30%程度を優秀・良好に、下位30%程度を不良に、残った40%程度を一応の水準にするという、3:4:3の成績分布の山を作る必要があるからです。
 そうすると、設問1の配点が50点のままだと、受験生全体がたとえば平均5点とか10点とかでまとまってしまい、設問1・設問2全体で3:4:3の成績分布を作りにくい問題となってしまいます。
 そこで、配点や採点基準をいじる必要が出てきます。設問1の配点をたとえば20点とかに減らし、設問2の配点を80点に増やすのです。そうすると、全体的に出来がバラついて、受験生間で差をつけやすい設問2の配点が80点になり、設問1・設問2全体で3:4:3の成績分布になる問題をこしらえることができます。
 以上のような操作が本当にされているのかは仮説の域を出ませんが、このような仮説に基づくと、取るべき戦略が見えてきます。①過去問を中心に勉強し、周りの受験生が取れる問題を取る(できれば差をつけられる程度に)、②初めて見たり考えたりする難しい問題にはあまり固執せず、無難なことを書いて流す、という戦略です。先ほどの問題の例で言えば、設問1は無難なことを書いて流し、設問2でガッツリ点数を稼ぎにいくのです。
 しかし、令和3年の司法試験までは、私は設問1で差をつけよう、設問2は無難なことを書いて流そうと考えていました。愚かにも、それができると思っていたのです。この考えを転換したのが、令和4年の1番の勝因だと考えています。

 そして、令和3年受験時の考えが誤っていたことを気付かせてくれたのが、ともしび先生でした。
 ともしび先生には、令和3年の司法試験不合格後、Twitter経由で再現答案を読んでもらい、コメントしていただきました。ペーパーでのコメントだけでなく、通話しながら答案やコメント、今後やるべき勉強を説明してもらい、私の直すべき点を的確に指摘していただきました。その直すべき点とは、「点を取りにいく貪欲な姿勢、事実を使い切る意識」でした。
 その際の通話で、「法科大学院で好成績を取れることと司法試験で高得点を取れることとは違う。法科大学院で好成績を取っても、司法試験で得点できていなければ、その科目は得意とはいえない」とコメントをいただき、今まで私は法学の勉強をしていたのであって、ちゃんと司法試験対策をしてこなかったことを気付かされたのです。その後、司法試験で点を取るための方法や答案の書き方を教えていただきました。
 他にも再現答案を読んでコメントをしてくれた合格者が複数いましたが、みんな口をそろえて、「あてはめが薄い。点を取れるところで、もっと点を取れた」と言われたため、私が次の1年で鍛えるべき能力が明確になりました。

 その後は、法科大学院の後輩である在校生中心の過去問ゼミに入れてもらい、「どこで点が取れるか、もっと使える事実はないか、事実を使うにはどう書けば良いか」をずっと意識しながら答案を書いてきました。法律の知識面で令和3年の受験時よりもしっかりと詰めたのは短答知識くらいで、論文知識については過去問ゼミで扱ったものを深掘りする程度でした。
 私が司法試験に受かった勝因は、ほんの少しの意識の違いでしたが、それに気付けないままだったとしたら、司法試験予備試験合格の経験を過大評価して、ズルズルと3回・4回と複数回受験を続けていたかも知れません。
 そんな私に、厳しくも的確なコメントをしてくださり、1年で進むべき方向を示してくださったともしび先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 ともしび先生は、多くの受験生の再現答案を分析され、各受験生に的確なアドバイスができる稀有な先生です。
 私のように意識を転換して、雪辱を果たす受験生が増えることを願っています。

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