第1 はじめに
私が受験時代に使用していた本や読んだ本,現在指導に際して確認するために使用している本をまとめていこうと思います。利用方法なども一言二言で書いていきますので参考にしてください。また,同じ名称の本も多いので,通称なども使用していきます。
なお,すべてを私が購入し通読していたわけではなく,図書館で参照していたものも結構記載しております。
特にこれはというものは別途書評にします。
なお,引用しているものは最新版をに統一している予定です。当時使用していた版とは異なります。
第2 刑事訴訟法の書籍の外観
刑事訴訟法は科目特性上、判例の理解が超重要です。ですので学者の本よりも実務向けの学者の本や実務家の本が中心になる印象です。学術的な対立ももちろんありますが、他科目よりも試験的には少ない印象です。手続きに関しては実務基礎科目向けの本が結構よかったりしますのでそちらも参考にしてください。
第3 書籍紹介
1 基本書・教科書
①『刑事訴訟法講義案(第4版)』司法協会 裁判所職員総合研修所監修
刑法・民事訴訟法でも紹介した書記官向けの本。捜査の部分はページ数などからしても、少ないので微妙ではある。しかし,そもそも捜査法の勉強は判例を丁寧に読めば十分に足りるので教科書レベルとしては過不足はないと思う。手続き的な部分は、公訴の提起以降の説明が、条文に即してわかりやすくなっているため、問題なく今でも使えると思う。これは確か、伏龍先生(mixi時代につながった3つ上の先輩で現在67期B)に教わった本だと思う。
②『刑事訴訟法講義(第7版)』東京大学出版会 池田・前田著
たしか大学の指定の教科書の一つで買った一冊。あまり読んでいなかったたが、、、当時の授業でのレジュメ(自分で取っていない方の授業)がよかったので当時はそれを使用していた記憶があります。読んだ部分に関して言えば柱脚の情報量が多くて参考になった記憶がある。当時は第3版で、たしか呉クラス?の先輩に聞いてつい買いだした。
2022年8月追記購入しなおして改めて読んでいますが、コンパクトでいいですね!
③『刑事訴訟法(第7版)』弘文堂 田口守一著
紹介は省略
大学で指定されてた教科書のもう片割れ。一応,見ておくかと,図書館で借りてざっと読んだだけであまり印象にない。それでもまぁまとまっていたなぁという印象なので悪い本ではないと思うが…。実際にこれで司法試験までいけるかは不明。砂金使っている人もとくみない。
④『刑事訴訟法講義(第5版)』慶応義塾大学出版会 安冨潔著
ローに入ってから買い替えた本。予備校本チックな感じがよいかなと思ったが結局アガルートのテキストが最強だったのであまり使わず。。
⑥『基本刑事訴訟法Ⅰ』『基本刑事訴訟法Ⅱ』日本評論社
基本シリーズなのでアマゾンでkindle版購入しているが…まだ読めていないです。書評は不明ということで。。
『基本刑事訴訟法』読み込み講座⑦『刑事訴訟法の思考プロセス』日本評論社 斎藤司著
Twitter有名人の斎藤先生(https://twitter.com/tsukassaito)の著作。感想は後ほど追記予定
⑧『入門刑事手続法(第8版)』有斐閣 三井・酒巻著
有名な入門書?基本書ですが、私は受験当時は使用しておりませんでした。最近になって読むようになり受験生には手続きの外観をつかむために使用するのはいいかな?って進めています。
2 体系書
①『刑事訴訟法(第2版)』有斐閣 酒巻匡著
最近最も定評があるかな?という本。自分はそこまで受験の時は使っていなかった(出版が受験直前だったので)。今は一応参照するために所持しています。
②『刑事訴訟法(新版)』有斐閣 田宮裕著
※古いのでURLは省略
体系書?というか古典作品といえる1冊。学説的として有力な立場として説明されるものの多くがこの本からでは?と思えるくらいよく出る本。論理的で内容もおおむね読みやすくてよかった。しかし,現行の試験対策という点では内容が古い上に判例通説の理解という点を得られないのであえて購入する必要はない。個人的には結構好きだったので読んだけど試験的に使えたとは言えないかな。
3 演習書
①『エクササイズ刑事訴訟法(第2版)』有斐閣 栗田知穂著
最近おススメされて,買って読んだらよかったので推奨してます。ちょうど版が更新されるタイミングだったのもありますが。臼井がしっかりとまとまった解説と難しすぎず適度な難易度の事例がちょうどよいです。答案例作ったら売れそう。
②『事例演習刑事訴訟法(第3版)』有斐閣 古江頼隆著
刑訴の演習書の定番,ということでみんな使っている一冊。個人的には会話形式の文章がわかりにくいのであまり使用せず。それでも伝聞法則のあたりは読んだ記憶しっかりあるし,今でも指導用に更新している本です。第3版になってページ数が増えすぎて読み切れないと思うが今でも十分使える一冊。
③『事例でわかる伝聞法則(第2版)』弘文堂 工藤ほか著
伝聞わからないならとりあえずこれ読めと推奨する1冊。100本ノック式に簡易な事例から伝聞の本質を教えてくれるよい教材です。そのうえ,司法試験での解説・解答例もあるという最強の本。執筆者も多く複数の目で検討された文章なのだろうと思え,信頼できると感じている。
④『伝聞法則に強くなる』日本評論社 後藤昭著
上と同じ感じの目的の本。事例よりも説明が欲しいという人はこっちの方がよいかも。
※刑事訴訟法は予備試験・旧司法試験をベースにした演習をすることが理解と合格の近道。旧試験の解説はかつて工藤北斗先生が受験新報で連載していたものがおススメ
4 判例集
①『刑事訴訟法判例百選(第10版)』有斐閣 井上・大澤・川出編著
刑事訴訟法は判例百選が教科書といえるので、これは必携です。
②『判例講座 刑事訴訟法〔捜査・証拠篇〕(第2版) 』『判例講座 刑事訴訟法(公訴提起・公判・裁判篇) 』立花書房 川出敏祐著
川出先生の警察官向けの論文をまとめた本。判例ベースで判例をどう説明するか?などの話が分かりやすくまとまっているので非常に分かりやすい。基礎的な部分の説明もありもう教科書といって差し支えないレベルではあるが、一応判例集と位置付けた。もうこれと百選で十分と思う。
5 そのほか
・『司法試験体系的問題解析 刑事訴訟法 』成文堂 反町義昭著
LEC講師による著作。司法試験の問題を体系別にそろえて、出題趣旨・採点実感をベースに判例の解説や答案例論証がある本。試験対策に必須といえる本。マジおススメ
第4 さいごに
以上です。刑事訴訟法は基本書的なのが案外多いなぁと整理して思ったけど、、やっぱり多かったですね。しかし、判例実務の理解があれば試験的には何とかなるのでそこまでは必要ないかも?各自の判断に任せます!
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